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楽しく暮らそう。ゆきうさぎの創作雑記

臨時休校始まってバタバタですが・・・【短編恋愛ファンタジー】竜に告ぐ 4

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みなさんこんにちは。ゆきうさぎです。


突然の臨時休校が始まって、毎日かなりバタバタしています。
夏休みだったら、事前にイベントを用意したり、用事を済ませたりと対策を練っているんですけれども、今回は青天の霹靂だったもので、まずは昼の食料がない!ところからスタートしました。。。

しかし子供とこんなに密着するの、乳幼児以来かもしれない。
そう考えると、ほぼほぼ自分の時間はなくなりましたけれど、貴重な一時かもしれないなと……たかだか台所の床を水拭きする間に、3回も掃除を中断されるのも、じつに何年ぶりだろうという、この感覚……ひどく懐かしいような、あ~あるあるだよ、このなんも進まないで一日もう終わる感じ、というような、ですが 苦笑

そんな中、ゆきうさぎがいつも参考にさせて頂いている、自学自習の達人高校生のお姉さん・ひめちゃんが、このお休みをチャンスととらえてお勉強されているので、

www.himegumatan.com

よーしうちも、ひめお姉さんに続けと問題集を週末に買ってきまして、チャレンジタッチと合わせてやりはじめました~。

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ひめぐまさん宅でもご推奨の百ます計算
これ、ほんとやってることは王道中の王道って反復練習なんですが、毎日続けると集中力が上がっていいんですよね~~。

といいますのも、かつて会社でゆきうさぎの隣席にいた東大卒のお兄さんが、とにかくエリートで温和で約束は守るし仕事は速いし、人は大切にするしで、最高に尊敬するタイプだったのですが。
観察していると、他の人と断然違う点が一つ。
集中力の持続時間が半端ない」=だからたとえ外人相手の英語5時間の会議であろうとも、最後までへろへろにならず、頭がフル回転していられる、という。
以来、ゆきうさぎの学習コンセプトは「いかに集中力を持続させるか」になりまして。

百ます計算は今までエクセル表作ってたのですが、今回は面倒で買っちゃいました。
毎日、姉弟で競争しております。あと息子は読解がニガテなので追加で。
なお今回、娘はチャレンジの量がけっこうあるので、演習はもう十分かなと、ドリルは増やしませんでした。
ただ英語は冬の英検を受けてライティングが弱いことが判明したので、塾パパさんに対策法を伺ったところ、

www.jukupapa.com

非常~~~~~に詳細に、駄目な原因とその強化方法をピンポイントでお教え頂きました! いつもすごいと思っていたけれど、流石すぎる。ありがとうございます!! 感涙。
そこで、この教わった内容をけっして無駄にしないよう、先週末からオックスフォード・リーディング・ツリーを新しい英語ノートに書き写して、音読した後、和訳し、それを私が添削するという自学自習を、トライアルで始めたところです。
「英借文」の一助になるかな?

そんなこんなで子供が家にいるので、全然、集中して文章を練れないのですが、とりあえず『竜に告ぐ』の続きをば。

6回連作予定で、今日は4回目です。

『北大陸のサリアード国、その王都リュウゼリアは古来より水の加護厚き聖地だった。十七になったアルダが医療院でようやく見習い仕事を覚えたころ、国の礼拝師を務める大貴族トッサ家の離れで出会ったのは、家長の一人息子、リュカだった――。』


読者のみなさま、ひきつづき、物語をお楽しみ下さい♪

 

竜に告ぐ 4

「おまえ、いきなり来てなにを言ってるんだ」

こんなふうに怒りをぶつけられる理由など、なにも思い当たらない。
けれど、リュカがなにかを訴えたくてここに現れたのだということだけは、その苛立ちから感じ取れた。

「大人ぶって余裕面(よゆうづら)か? なら見せてやるよ、俺の『病』ってやつを――」

たたきつけるようにそう言うなり、リュカは絹の上衣をすっぽり脱ぎ捨てると、挑むように細い裸の胸をさらした。

瞬間、アルダはすべてを理解した。
不意打ちで頭を殴られたような衝撃がくる。

鎖骨から拳ひとつ下――。
醜くえぐれた爆傷のような皮膚のひきつれがあり、その中心には虹色の貝殻に似た輝石(きせき)が深々と埋まっている。

「っ、それは『竜の想い人』か……!」

アルダは幼い頃より、父の医療の腕を見てきた。
だから医療士より身分の高い同業職があると知った時、どうしても納得がいかなくて、それはなぜかと問いつめたことがある。

そこで聞いたのだ。
この国の守護神である竜は、ごくごく稀に気に入った礼拝師に対して、我が身の宝鱗を授けるという話を。

「そうだ。俺は異能力を得た」

竜の鱗を得た礼拝師は仙客(サウロ)と呼ばれ、人には視えぬものを視、聞こえぬ声を聞く。
そして神通力でもって、この世と神霊の世界を繋ぐ存在となる。

――我ら医療士は現世(うつしよ)の者しか診ない。
けれど礼拝師は、他の世界とこの現世の交流も理解した上で、生殺与奪の権を握る。
そこが希有であり、我らより上位たる由縁なのだ、アルダよ。

「驚いたか、アルダ。仙客は王に匹敵するほどの尊崇を民から集める。俺の一言はもはや、直氏(スヴェン)たちの趨勢(すうせい)をも左右する」

「……いつからだ」

乾いた声しか出なかった。

竜が棲むとされる西湖は王の直轄地だ。
ごく限られた成人の直氏(スヴェン)だけが立ち入ることを許される。
子供のリュカが一人で神殿に入って、宝鱗を受けられるはずがない。

――そういえばリュカは、父とどこかへ連れ立って出かけた後に、体調を崩したんじゃ。

アルダの脳裏に背筋が寒くなるような一つの考えが閃き、やがて確信に変わる。

(この家の当主は、こともあろうに自分の息子を神に捧げたのか……!?)

礼拝師を志す以上、竜神と直に交信するなど、たしかに望外の喜びであろう。
しかし一度宝鱗を埋めこまれれば、二度と元の身体には戻れないと聞く。

「いつからって。この輝石を他人に見せたのは、アルダが初めてなんだぞ? なあ。もっと他に言うことはないのかよ」

仙客(サウロ)とは人の姿を保ちながらも、その本質は竜と魂をつなぎ、その代償に身体の一部を身喰いされた者だ。
異形に身体を侵食される恐怖と痛みから、屈強な大人でも発狂したり自害する者も多いと聞く。

(そんな試練を、まだこんな子供に――どうかしてる)

アルダはかすれた声で問うた。

「リュカ、おまえ自身はどうなんだ。本当に、『竜の想い人』を受け入れる生を望んでいたのか……?」

とたん、少年の肩がびくりと揺れる。それが答えだった。
アルダは息を飲み、口早にリュカに迫った。

「我慢するな、リュカ。話して。大丈夫、ここには私しかいない。全部、吐き出していいから」

「俺……は」

「うん」

「神殿で父上が祈願の祝詞(のりと)を奏上し始めたら、心の臓に突然、激痛が走って……それで……」

――なにも、知らなかったんだ。

堰(せき)を切ったように感情を爆発させながら、リュカは打ち明けた。

若いころ竜神に選ばれなかった父は、宝鱗(ほうりん)を授かるのがかねてからの悲願だったこと。
儀式の直前に、一族から仙客(サウロ)が出れば、当家の血統は百年安泰である、と言われたこと。

「父上が母を娶ったのも、母の叔父が仙客だったからだと言われた。つまり俺は、宝鱗(ほうりん)を授かるために作られた子だったんだ――」

「そんな、馬鹿な……」

アルダはそう言ったきり、言葉が出ない。

子供は生まれ出る場所も、親も選べないのに。
この世界に存在する親のすべてが、ただ子の存在を受け入れ、愛するために我が子をもうけるわけではない――という事実。

「なぜ俺なんだ?! どうして竜は俺なんかに宝鱗をっ」

結局、父はただの俗物だったんだ、と血を吐くようにリュカは呟いた。

――アルダ、できることなら俺、この輝石を切り取って、初めから全部やり直したい。今は世界が視えすぎて、頭痛と眩暈で狂いそうなんだ。
息をただ、吸って吐くのすら苦しい。
なあアルダ、お願いだ、その医療の腕でこの宝鱗、俺の肉ごと断ち斬ってくれよ。

涙を流してリュカは膝を折り、アルダを見上げた。

信じていた者に裏切られ、踏みにじられた哀しみと。
誰にもその苦悩を、今の今まで打ち明けられなかった寂しさ。
瞳に宿る純粋な光が、アルダの胸をじりじり焼く。

(この光を……消しちゃいけない)

とっさに、そう思った。
腹の奥から、怒りにも似た強い感情がわき上がってくる。

(私が……守る。なんとしても)

「落ちつけ。医療院で、なにか痛みを緩和する方法がないか調べてきてやるから……な、待っててくれ。すぐ傍に戻る……からっ」

ただ腕を広げ、涙をこぼす少年を抱きしめることしかできなかった。

どんな優れた医療士だろうと、おそらく恩寵たる輝石を手術で取り出すなど無謀だろう。
そうたやすく人間の手でなにもかもが思い通りになるのなら、そもそも人は神など必要としない――。

けれどたぶん、この時すでにアルダの心は決まっていた。

竜神が本当に全能であるなら、リュカが石を望んでいなかったことくらい知っていたはず。
なるほど、竜は理不尽とはよく言ったものだな。
強大な力を持ち、こちらの想いなど関係なく、運命を一瞬で変えてしまう。
だが人に、抗う術がないと思ったら大間違いだぞ。

「大丈夫だ。私がついてる。できうるかぎりの手は尽くすから」

私だけは何があっても、リュカの心に寄り添ってやろう。
この危うく純な魂を救うために、力をつくそう。

諦めるな。
まだ、始まったばかりだ。
リュカは、この私が……折らせない。

 

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それから二年がすぎた。

アルダはウマルの木が新緑に燃えるころ、無事に医療院を卒業した。

「……聞こえなかったのか、アルダ。この離れを出ていくなって、言ってるだろ」

煌(きら)めく夕陽に頬を染めながら、すっかり背高に成長したリュカはそう言って腕を組む。

「そうもいかないよ。居候は、正式な医療士になるまでという約束だから」

壁にもたれながらこちらの荷詰め作業を睨んでいる若者を見て、曖昧に笑ってみせた。

「なにが不満なんだ?! 俺の母上の嫌がらせのせいで、この屋敷にほとほと嫌気がさした?」

「いや、そんなんじゃない」

「そんなにここが、不便だったのか」

「いいや。すこぶる快適だったよ」

リュカにはわからないだろう。
ここにはもう宝鱗を厭い、泣いていた幼い少年はいない。
アルダは物憂げに窓の外を見やるリュカを、こっそり横目で眺めた。

気品と才に満ちた若き祈祷師。
その名を、今やこの都で知らぬ者はいない。

この二年、アルダが調合した薬を使いながら、リュカは徐々に輝石を身体に慣らしていった。
苦しみは人を奈落に突き落としもするが、その経験が深いほど、人は強く大きくなる。
それに伴い、リュカが視る世界も劇的に変化したことをアルダは知っていた。

――なあ、アルダ。怖がらずに聞いてくれるか? 
実は俺、深く意識を凝らすと、自在に不思議なものが見えるようになってきたんだ。

アルダの診察を受けながら、リュカはある時そう打ち明けた。
この青年は昔から、けっして自分の他には本心を話さない。それが元来の性格からくるものなのか、竜との誓約によるものなのかはわからなかったけれど。

今はまるで星空に銀砂を撒くように、この世界で無数の魂が光っているのが見える、とリュカはひどく遠い目をして言った。
すごく美しくて、ただただ愛おしい光なのだと。

――あれはたぶん……はるか天空から大地を俯瞰する、竜の視点なんだろうな。
ああ、アルダにも見せてやりたいよ。

(なんというか、リュカは大きくなった)

あの言葉を聞いた瞬間、ひどく打ちのめされた気持ちになったと正直に打ち明けたら、リュカはなんと言うだろうか。
もう守ってやる必要はないんだ。それどころか私が叶わぬほどの高みにまで、いつのまにか竜はリュカを連れていってしまっていた。

今なら、わかる。
竜は初めから見抜いていたのだと。
リュカには『昇れる素質』があったのだ。

そんな人間はこの世界では稀少で、だからリュカの技量は、やはり天賦の才とでも言うべきもので。
そんな貴重な光を潰さず天へ解き放てたと思えば、心寂しくはあったが……今はすがすがしい思いだ。

「なあアルダ、屋敷を出てどこへ行くつもりだ? まさかトロイのところじゃないよな」

リュカの問いに、今度こそアルダは噴き出した。

 
その5に続く>>【短編恋愛ファンタジー】竜に告ぐ 5 - Home, happy home

おまけ・勇気の出る歌

前回から唐突に始まったこのコーナー。

世の中の閉塞感を打破したい!
せめて、ここに来て下さった方の心だけでも、すっきりリフレッシュしたい!

ということで、ゆきうさぎのお気に入りの歌を紹介しております☆
二曲目は「ONE OK ROCKーWasted Nights

www.youtube.com

言わずと知れた映画「キングダム」の主題歌♪

疲れた時に聞くと、テンション上がって、さー、もういっちょがんばっていこー!と思わせてくれる名曲。
若さって素敵。

それでは、また。
ごきげんよう♪

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